10月下旬のプロジェクトウィーク 中国の地方に一週間滞在しました
10月下旬にはプロジェクトウィークというプロジェクトがあります。これはDP1とFP(IB準備期間でDP1の1学年下)が参加します。内容は一週間ほど中国の地方に行って、子供たちに教える、というものです。
ちなみにDP2もありますが、この時期ではなくて、春に行きます。そして内容は生徒たちが主体的に考え、貧しい地方のボランティア、家を建てるのの手伝い、アートを教える、などの活動に取り組みます。
私はDP1なので去年の10月下旬、とある中国の地方に20人ほどで向かいました。(20人1グループで一つの学校に行きます。FP、DP1はごちゃ混ぜです。)
実は毎日プロジェクトウィークの日記をつけていたのですがそれはキャンパスにあるので思い出しながら書きます。キャンパスに戻って、書き忘れていたことがあれば後に付け加える予定です。
明後日からproject weekって言ってfpとdp1は一週間中国の何処かで地元の学校の子どもたちに授業をします。私はfan xianと言うところに行きます。食事が気になります。美味しいとこは美味しいけどたまに目が飛び出るくらい辛いとこもあるらしいです、私辛いのだめです
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月24日
朝6時ぐらいに出発してバスで駅に向かいます。電車に5時間ほど乗って、駅に着いたらその学校の先生と校長先生に迎えられてバスに乗りました。実は中国では電車に乗るのに毎回パスポートが必要なんです。そのため、インターナショナルの私たちはパスポートを持っていないといけなくて、使い終わったら先生たちに預けました。
駅では空港のように荷物チェックを受けます。ベルトコンベアみたいなのに乗せて、レーダーのようなものに通して確認。ナイフ等は没収されます。
WeChatグループでnational costume持っていくことになりそう…え、もうパンパンなのに…そして最悪着るのに一時間かかるかもしれない浴衣を…?この時期に…?最低気温4度の場所で…?まじで…?
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月25日
浴衣の上からダウン着るかな
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月25日
そして五本指ソックスで下駄を履く
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月25日
ということで最高気温22度最低気温4度の浴衣地獄に一週間行って参ります。明日朝6時半出発です。一週間ツイッタらんらんらんどから姿を消します、今頃浴衣にダウン着て五本指靴下で下駄を履いて日本の国旗を纏っているのかなと想像してくれたら嬉しいです、荷物ギリ入った、帰り怖い。
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月25日
日本から持ってきた非常食もありったけに詰め込んでます、どん兵衛も連れていきます
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月25日
こんな感じで出発しました。電車に乗っているときに朝ごはんを食べました。そしてこちらが着いて、バスに乗り込んだときのその地方の光景です。
衝撃的でした。日本では見ることのない光景、です。地震が起こった後なのかな、とも思ってしまいました。道の整備は写真の通りです。建物もかなり古そうでした。
洗濯物を干してる人も見かけました。たるんだ糸に洋服を一つ一つをかけていました。でも、ここは地方でも比較的整備されているところなのだと思います。
WiFiあったー!ということで部屋はこんな感じ!今いる村はこんな感じ!ホテルが豪華… pic.twitter.com/R8hwLfkJdj
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月26日
朝6時半出発、夕方4時到着でバス1時間、電車に5時間、バスに2時間の長旅でした。殆ど寝てた。
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月26日
中国ではグーグルは使えません。ツイッター、インスタグラムも使えません。なのでVPNを使うのですが、毎回使えるわけではなくて調子がいい時だけ使えます。そのため、初めの方では使えませんでした。
ツイッタらんらんらんど戻ってくるの思ったより早かった
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月26日
確か到着してから次の日だったと思います。学校の生徒の家にお邪魔して地方の生活を見せていただきました。
今日はある生徒の家族の畑にお邪魔して芋掘りをして、魚を養生してるとこと黄河を見てご飯食べてホテルに戻りました!まさか人生で本物の黄河を見ることになるとは思わなかった。 pic.twitter.com/QvsxltDiWz
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月27日
他の子たちとの会話。
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月27日
黄河ってコーヒーみたいだね
いや、ミルクティーじゃない?(←私)
バブルティーだ、バブルティー!
ほんまや、バブルティーriverやわ
結論:黄河はバブルティー
こちらのツイートの写真はその地方のいろいろなところに車に連れて行ってもらったので、その時の写真です。こんなのもあります。車に乗りながらだったため、ブレブレですが…
芋を掘ったときはこんな感じでした。楽しかったです。何個かお裾分けしていただきました。
車に乗っていろいろなところに行ったとき、いろいろなものを見ました。
何かの種か実のような物を道路の幅半分に撒いて日光で乾燥させている様子。道端で鶏の売買をしている様子。中国人の子に聞いたところ、中国の地方では鶏同士を戦わせて娯楽とすることがあるそうです。そして、うさぎを、両耳を乱暴に掴んで持ち上げて食料として売っている様子。
日本では動物虐待にあたるのでしょうか。でもここでは生活の糧であり、生きるためにしている。生きるっていうことの難しい、とただただ思いました。それ以外に何か考えようとしても考えられませんでした。
その日はホテルに戻り、次の日から始まる学校で教えることについて準備しました(5人1グループとなって1クラスに教えます)。私たちが教えることは二つ、英語の勉強法とライフハック術。
現在teaching groupで部屋に集まって明日から始まる授業練り中。と見せかけてのホラーゲーム遊ぶ人とアイスクリーム?食べてる私。 pic.twitter.com/tty9x8f9p4
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月27日
ホテルでは安定の蚊に刺される体質が発揮されて、敏感なタイプではないのに蚊に起こされ、眠れぬ夜を過ごしたりしていました。
ここで退治しなければ金曜まで蚊に刺されまくるだろうな…もう朝まで起きとくか…すでに眠い
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月27日
ちなみに一時間ほど寝た。けど今日一日大丈夫かしらん。
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月27日
大丈夫じゃなかった。teaching groupにアップロードしようとしたファイルを学校全体のグループにあげていた。
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月27日
子供たちは小中学生です。一クラス60人ほどいて、机が足りていませんでした。狭いだろうに、ぎゅうぎゅうに座っていて、そして机が足りていない子は椅子に座って膝の上でノートを取っていました。
サインを求められて、服に書いて欲しいと言われましたが、先生方より服に書いて欲しいと頼まれてもかいてはいけない、と言われていました。そのためたまたま持っていた付箋に書いて渡すことにしました。
そのときに自分の百均で買った筆箱を出しただけで子供たちは「うわー!綺麗!」と言っていて、びっくりしたのと、こういうものは簡単に手に入らないのかな、と心が痛くなりました。
小一のある男の子にブレスレットをプレゼントされました。プレゼントについても、先生からは受け取らないように、と言われていました。サインを服に書いてはいけない、と言われていた理由とプレゼントをもらってはいけないという理由について説明します。
この地方はあまり裕福ではなく、それでも私たちが毎年くるととても喜んで歓迎してくれます。そのためプレゼントを奮発してしまい、高価なものを渡してくれることがあるそうです。
このジャージの制服は長いこと着ることになるでしょう。そのため、書いてはいけない、と先生たちに説明されていました。
ブレスレットは手作りのようでしたが、渡されるプレゼントによって受け取る、受け取らないの対応を変えると良くないのではないか、と独断で身振り手振りでごめんね、でも受け取れない、ありがとう、と伝えました。小一なので英語は伝わらず、困ってしまって同じグループの中国人の子に助けを求めました。
するとそのクラスの先生が私の手を取ってその男の子のブレスレットをつけてくれました。中国人の子に「いいのかなあ、プレゼントもらったらダメって言われてたけど…」と言ったら、大丈夫だよ、と返されました。
その綺麗なブレスレットを作ってくれた男の子の気遣いが嬉しいのと、何も返してあげれないことが心苦しいのとで、ただただ「xiexie(ありがとう)」と繰り返すしかできませんでした。
それから数日ずっとつけていました。そしたら、この色鮮やかなブレスレットは緩くなってしまい、つけたら解けてしまいそうになってしまいました。でも、このことは忘れてはいけない、忘れられない、とだけ思ってお守りとして財布に常に入れています。
授業やって、バスケで遊んだけど急に大気汚染がめっちゃ酷くなって沢山マスク持ってきてたから他の人にも配ってた
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月28日
バスケはその学校の子たちと、UWC生で勝負しました。私も混じったのですが、私はバスケ経験なんて体育でしかなくて、ただボール追いかけ回していただけでしたが、楽しかったです。
ホテルでシャワー浴びてるときに同室の子が配達で頼んだ食べ物がちょうど届いてロビー行かないといけないけどルームキー持ってかないと入り直せないけどルームキーなければ部屋の電気が消えるっていうシステムなので私は暗闇の中シャワーを浴びました。数分だけね。怖いよ。
— ルム@UWC中国校 (@LuttieDiary) 2019年10月31日
3、4日教え続けて、一週間は終わりました。
プロジェクトウィークを終えて、思い出した言葉があります。中一の時に見て、圧倒され、これが私が目指すスピーチだ、と気づいたSevern Suzukiの12歳の時の国連でのスピーチです。
"If a child on the streets who has nothing willing to share, why are we who have everything so greedy?"
どうして、こんなにも格差がある事実を今まで本当の意味で知らなかったのか。子供たちは中学生だというのに、どう見ても日本の小学生ほどの背丈しかありませんでした。私の考える原因が正解なのか分かりませんが、おそらく栄養が足りていないのだと思いました。
学食で食べた食べ物はしょっぱくて、肉が少なかったです。子供たちの暮らす寮を覗きました。寒くて狭い部屋に2段ベッドが敷き詰められていて、机などありませんでした。
スーツケースはベッドの下に収納され、その肝心なベッドは冷たい錆びた鉄でできており、とても薄くて寒そうで、鉄の硬さが和らげられていないようなマットレスが敷かれていました。ベッドの大きさも小さい。
暗くて冷たくて、思わず囚人の部屋を思い描いてしまいました。決して貶す意味で思い浮かべたのではありません。ただ、この部屋で子供たちが過ごしている間、私は暖かい布団に包まれて、一人一つ立派な机が支給されているところで教材も十分に与えられて、勉強ができて、そして毎日お腹いっぱいにご飯を食べているのだ、という事実に気付き、残酷だな、とただただ思いました。
そんな中でも子供たちの元気さと笑顔は霞んでいなくて。ベッドの壁や天井にはハートや星のステッカー、キラキラしているものや、応援しているのであろう古いアイドルのポスターが貼られていて、嬉しく感じるとともに心がギュッと押し潰される気持ちでした。
部屋の前の靴を置く場所も足りていない様子。そんな中でもとても歓迎してくれました。ご飯を食べるときは食堂ではなく、華やかな部屋に通されました。私たちとは違って、その学校の生徒たちが利用している食堂は地下の駐車場のように冷たくて暗くて、銀色の食器は余計に冷たさを強調しているようでした。
そこではなく、校長先生が使っているのかなあ、と思われる華やかな部屋で食べることには罪悪感があり、子供たちは食べないだろう果物やジュースまで振る舞われ、感謝しながらも子供たちに分けたい、ここじゃなくて食堂で話しながら食べたい、と思っていました。
授業をしたときに、日本を紹介しました。日本から来ました、と中国人の子に紹介してもらうと、みんな目をキラキラさせて日本!知ってるよ!好きだよ!って言ってくれていました。小一のクラスに日本の写真を見せました。お城に桜、富士山。そのパワポのスライドになった瞬間、本当に一斉に「「「うわああああああ!!!!!」」」って言って前のめりになって写真に魅入っていました。
日本の歌を歌って、と授業の最後に言われました。咄嗟のことに動揺して、日本の有名な歌、でも最近人気とかじゃなくて国民的な歌、と思い出して童謡の「さくら」を歌いました。歌詞がうろ覚えでメロディも別のものになりかけたとき、慌てて止めましたが「「「綺麗」」」って言ってくれて。別のクラスでは森山直太郎の「さくら」のサビ、「さくら、さくら、今咲き誇る」を歌った時も目をキラキラさせていて。
wechatアカウント交換して、と言われたときは答えてあげたかったけど、これも先生より「交換してはいけない」と言われていたため、ごめんね、アカウント持っていないの、と中国人の子に対応してもらいました。理由は沢山の子たちが交換したがるあまり、後々負担になるから、とのことでした。
こんなにも良くしてくれているのに、国同士の問題はまだたくさんある。でも国民同士仲良くすることはできる。じゃあ自分には何ができる?とひたすら問われていた気がします。5人グループには台湾の子もいました。台湾の子たちは中国との関係が難しくて、それでも一対一で話している様子はとても楽しそうでした。その台湾の子は「ひとり、毎日会いに来てくれる子がいて、「明日は自分から行くね」って言っててもどうしてもスケジュール的に行けなくて、それでも来てくれたんだ」と言っていました。
どうしてこんなに沢山のものを与えてくれたのに、どうして私たちは何か返してあげれていないのかな、とずっとぐるぐる考え続けるしかありませんでした。
子供たちには、私たちが教えたものよりももっと大事なものをたくさん教えてもらって、何を残せたのだろうか、と今でも考え続ける日々です。
まとまりがない文になってしまいました。プロジェクトウィークでは一つ一つの場面が目に焼き付いていて、そして結論が出なくても、絶対にこれは忘れてはいけないことだ、と胸に刻みました。