UWC中国長期留学で英語漬け国際バカロレアをする現役高校生

UWC中国長期留学で英語漬け国際バカロレアできなかった卒業生

高校2年夏に中退し、日本協会派遣生としてUWC中国校に2年間長期留学するはずだったが、COVID-19によりカレッジ滞在歴4ヶ月となり、運悪すぎる前代未聞の派遣生となったルムの話(国際バカロレアはかろうじて取れました)

IB Physics IA 良いスコアを取るには準備が大切!

現在物理のIAに取り組み始めてます。そもそもIAって何?っていう方はこちらの記事にちょろって説明してます。

 

luttie.hatenadiary.com

 

IA(Internal Assessment)を説明するには、まずIBのファイナルスコアがどういう風にして出されるのかを知る必要があります。

 

簡単にいうと、ファイナルスコアはEA(External Assessment)とIAの二つの項目で評価されます。EAは筆記試験でDP2の最後に受け、外部のIB機関に採点されます。EAの比重は大体80%くらい。

 

それに対してIAはDP2中(大体一学期中に終わる)に提出し、学校内の先生に評価されます。比重は大体20%(比重は教科によって異なります)。そして特徴的なのが、一般的な筆記試験ではなくて、レポートや口頭試験の形式で評価されるということです。

 

簡単にいうと、英文学等は口頭での試験。作品の比較などをエッセイではなく口頭やプレゼンテーションの形式で発表。理科はLab report、数学もレポート形式、経済とかの社会科もレポート形式。

 

20%もの比重を占める上、IAは先生から一度だけFeedbackがもらえるんです。だからIBで良いスコアを取るには、IAに力を入れることが大切になります。

 

そして現在私は物理のIAに取り組んでいるわけですが、他の学校はどうかはわからないのですが、中国校では一年生の間にMini IAっていうIAの練習を一年生の間に2回しました。今回が本番の本当のIAです。

 

そのMini IAで1回目は訳が分からなくて出来がとても悪くて、2回目でかなり良いスコアをもらえたんです。記憶が間違ってなければ、1回目は24点満点中13点で、2回目は21点でした。

 

わーお、大出世!というか1回目が悪すぎ!1回目の時は本当に訳が分からなくて、質問しても過去のIA見てごらんってしか言われなかったから1時間とかで書き上げてたんだよね!ちなみにIAは10時間ほどかけることをIB公式はお勧めしています。

 

あと気をつけるのはIAで満点とかは本当に本当に本当に難しくて不可能に近いんで、目指さないほうがいいです。私の物理の先生が知っている最高スコアでも20点ちょいしかなかったと思う。20点取れれば万々歳なんです。

 

私の21点のやつは、練習だから採点が甘めなので実際だと18,19くらいかなって睨んでいます。

 

ということで、前置きが長くなりましたが、IA練習を経て、IAのコツが掴めた気がするので書いていこうと思います。

 

 

 

準備する

 

核となる公式探し

 

準備段階はとても大事。むしろトピック決めに数時間かけてもいいと思う。1時間くらいトピックを探しまくって、一つに決めたら、2時間くらいそれについて調べる。

 

トピック決めのおすすめは「教科書の内容のちょっと応用」の物理公式(法則でもよし)を見つけること。教科書でチラッて触れられてたり、あるいは書かれていなかったりするけど、そんなに難しくないっていう内容。

 

ポイントは、ちょっと応用っていうこと。教科書に載っている内容は簡単すぎて点数がもらいにくいです。ちょっと難しげなやつにしたら、難しそう!ってスコアをくれます。だから難しくなくても難しげな雰囲気のを選ぶのがポイント。

 

そしてなんで公式を探すのかというと、物理のIAの流れは「実験する・データを取る」→「グラフ化する」→「公式と照らし合わする」が一般的で簡単だからです。だから実験から試行錯誤して公式を探すんじゃなくて、先に公式を見つけておいてそれにあった実験を考案すれば楽チンなんです!!

 

IAでは、過去の偉大な科学者が見つけた法則の追試のやり方をあたかも自分が発見したかのように振る舞って、「あ!これってこの公式と同じじゃん!この公式じゃん!」って発表するとよし。

 

例を挙げるとすると、私の2回目のIAでは光の反射光のintensityを調べました。で、実験の値を出して、反射角が変わるとintensityも変わるのね!って演出。グラフ化して、その後に「あらら?!これってフレネルの式じゃない!」ってやりました。

 

1回目のIAも似た感じで、でも演出が下手くそでした。簡単にいうと、ドアの開閉のバネの減衰運動について調べたのですが、自分でも減衰運動が理解できなかったので失敗。

 

つまりここで公式を見つけるとき、何が大切かというと、「自分が理解できる公式か」がとても大切。公式が理解できなければ諦めましょう、きっと良い出会いがまだあるはずだ!

 

データベースか、シミュレーションか、実験か

 

IAでデータを取るにあたって、必ずしも本人が実験しないといけないというルールはありません。私の1回目のIAは実験、2回目はシミュレーションサイトを使いました。本番のIAではデータベースを使おうと思っています。

 

私的にお勧めは断然データベースとシミュレーションを使うことです。なぜか。素人の実験は難しい!!!ちゃんとやっていても変な値が出たりする!誤値の計測もしないといけない!時間がかかる!

 

2回目のIAでシミュレーションサイト使ったときは感動でした。もう、それはそれは綺麗なデータが出ます。だって物理法則に則った数値が出ているんです。データベースの場合はプロがデータを出してるんです、プロなデータです。誤値もほぼ気にしなくてよし!それで本番ではシミュレーションかデータベースを使おうと思いました。

 

ただ気をつけないといけないのは、シミュレーションやデータベースは研究できる分野が限られるかもしれないということです。例えばデータベースと言えば、惑星の質量とか宇宙関係のものが多いです。シミュレーションサイトもやりたいシミュレーションがないかもしれません。

 

ちなみにお勧めのシミュレーションサイトはPhETです。ただ、このシミュレーションサイトでもIAに使えるものは限られているなあという印象です。

 

また、さっき言っていたように物理公式からIAを思いつかなくても良くて、シミュレーションサイトとかを見ながらアイデアをもらうっていうのも全然ありです。

 

phet.colorado.edu

 

データを取る

 

実際に実験やシミュレーション等をする前に、探しておいた公式から、大体どのようなグラフができるかを予想しておいた方がいいです。こんなグラフから、あの公式をこう当てはめるっていう流れを実験する前に考えておくことが、とてもとても大事です。

 

これが私の1回目の失敗要因であり、2回目の成功要因です。全体の流れを想像してから取り組まないと、あとから「失敗した」とか「あれなんかおかしい」ってなっても取り返しがつかないのです(経験者より)…

 

書く

 

データも取り終わって全体の流れを想像できるならば、書き始めましょう。IAで書くときに大事になってくるのは、細かなミスをしない!これに尽きます。気を抜けば、意外とポロポロ減点されるんです。

 

Introduction

 

自分の経験や興味がどのようにそのIAをするに至ったかを書きます。これはこじつけでもいいと思っています。リアリティを出しましょう。ただただ宇宙が好き、って書くんじゃなくて、嘘でもいいから子供の頃からよくキャンプに行って宇宙人がいるんじゃないかと夜空を眺めて妄想するのが好きで、とか。

 

ただただ光の反射が面白いって思ったじゃなくて、鏡に映る自分の姿が好きで好きでたまらなくてとか。夏の夜、墓地でありえない角度で白装束を着た何かが手鏡に写っているのを見たとか。リアリティ。リアリティ。Personal Engagementっていうcriteriaでスコアをもらえます。

 

Background information

 

さっき言ったように、IAでは教科書には載っていない公式について実験するのがお勧め。それで教科書に載っていないような知識や、前提となる知識の説明をするんです。例えばx=vtであるとか慣性の法則とかいう前提。

 

しっかり抜けがないように説明して、citationも忘れないように。

 

Methodology

 

ここではindependent variable、dependent variable、controlled variableが何にあたるかという説明をしましょう。そして実験をどう行うかを一つ一つ丁寧に。ステップを抜かさないで。

 

安全性の保証も書きます。そして実験のセットの写真とか、何を用いたかのリストとかも必要です。

 

Data processing and analysis

 

データを表にまとめましょう。そしてグラフ化しましょう。グラフ化の際にはuncertaintyのbarも忘れないように!表とグラフはちゃんとlabelして、table1 Author's own dataとか書きましょう。

 

意外と忘れるもんです。x軸y軸が何かを書いて単位を忘れない、グラフの上にグラフ名をかく。そしてexcelを使ってbest fit line(近似線というのかな?)も追加します。もちろん近似式を入れるのを忘れないように。

 

この表とグラフの他に入れる説明文としては、例えばuncertaintyはどれくらいだとかの信憑性とか、グラフの形状はどういう風になっているか、best fit lineの式は何になったかの、グラフの説明をしましょう。

 

ちなみに大体データ表一つとbest fit line付きのグラフ一つで十分です。

 

 

Conclusion

 

ここで、やっと偉大な科学者の発見した公式を見せて、「あ、これの公式に似てない?!」とか「この公式のグラフと同じだ!」って茶番をやります。自分が導いたbest fit lineと公式を比較して、当てはめる訳です。

 

そしてまあ、全体的な考察みたいなのをcriteriaの要素を満たすようにして書きます。

 

Evaluation

 

ここでは大体limitationと次回の抱負みたいなことを書きます。今回のIAの弱点とかは何か。そして次の実験ではどういう風にそのトピックを発展させれるか。

 

Works Cited

 

これは絶対に忘れないように。ちゃんと引用しましたって書かないと盗作とみなされて最悪0点になります。怖い。

 

ちなみにword書式で全体で10ページ前後がちょうどいいかと思います。IAの例や、どういう風にexaminerが採点しているかはIB公式のこちらのサイトに数例あります!

 

https://ibpublishing.ibo.org/server2/rest/app/tsm.xql?doc=d_4_physi_tsm_1408_1_e&part=8&chapter=1

 

 

 

大体こんな感じです!実は数学のIAもやっているのですが、数学のIAは練習がなくてぶっつけ本番なので本当に怖いです。物理のIAで1回目にド派手に失敗した私的にはとても私のことが心配です。