数ヶ月前に原稿の作り方を書いててかなり遅くなりましたが、今回は練習をどのように進めていくかです。
練習
暗記
暗記、と書きましたが、発表する本人がスピーチの原稿作成に携わったならば、作っている間に暗記しているはずです。携わっていないならば、暗記しましょう。絵を描いてイメージで覚えたり、とにかく口に出して体に叩き込みましょう。
暗記をしている時点でどのように言うか、テンションの上がり下がり、トーンの高さ、表情、自然な仕草等を頭に浮かべてイメージします。しっくりくるものを選んでください。
反復練習
立って、原稿なしで、観客をイメージして練習。ビデオで自分を撮ったり、鏡の前で練習したりする。練習の頻度は中高生なら毎日朝晩15分くらい、小学生なら20〜30分くらいでいいと思います。やりすぎると変な癖がついてしまって「自然に話す」ということができなくなります。作られた感がどうしても滲み出てしまうんです。
また、前回の大会などで見た、上手な人のスピーチのビデオを何回も繰り返してみる。研究する。自分とは何が違うのか。自分は他人と違って、どんな特徴のスピーチができるのか。
上手い人の研究は当たり前のようにしないと勝てません。とにかく技術を盗んでください。間の長さ、テンポ、話す速さ、目線、初めのお辞儀からの仕草、どこが堂々としているように感じさせるのか、表情の些細な変化、誰に向かって語りかけているのか、どんな声を使い分けているか、眉が見えている方が表情がよく伝わるか。見るところはたくさんあります。
中には不自然なくらいジェスチャーが多かったり、逆に棒立ちの人もいたりします。私自身の自論では、ジェスチャーは無くていい。本当にいらない。嘘くさく見える。
舞台の上では確かに役者ですが、わざわざこれは演技だよ!と客に見せてその嘘の感じを伝えることはマイナスです。役者としてすることは一つ、自分の世界に観客を巻き込む、引きずりこむことだけです。
私の理想は、原稿を暗唱しているのが丸分かりになるものでは無く、まるでその場で思いついた言葉を巧みに操って語る、と言うスピーチです。これが出来る人は本当にすごいです。そして数をこなせばある程度それはできるのですが、数をしていなくてもできる天才がいます。
私は超がつく凡人です。やってきた数、経験だけは負けるつもりはありませんが、そういう才能はありません。経験で勝てるのは小学生、頑張れば中学生の途中くらいまで。中学高校からはそういう天才が現れてきます。とにかく話が上手で、声質にも恵まれているんです。
声質に関して言いますと、私は本当に声には恵まれていません。細くて、ドスがきかない声です。このスピーチの世界だと個性的であればあるほど最高です。ハスキーだったり、ドスがきいたり、低かったり、印象的でかつ聞いてて心地いい声は本当に羨ましかった。
他にも才能と呼べるものはあります。その人にしか持っていない独特なテンポなんかもそうです。話し方がとても個性的で、でも聞いてて心地いいというものです。そしてこれは男子に多いです。女子と男子では話し方がかなり違っていて、スピーチの世界では女子の方が圧倒的に多いです。
そのため、男子の持つ低い声、独特な話し方はかなり評価にいい影響を与えることが多いです。もちろん使い方で評価も変わりますが、大会で男子が来るたびに身構えていたものです。
以上が大まかな練習で私が注意していたことです。